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MIZAKI 第一回作品幻想と悪夢と

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MIZAKI NOVEL
2004/4/01

幻想と悪夢と 第一章 一話

第一章 一話
長袖から半袖に変わり陽光が眩しさを増して、安永勇孝の腕が少し日焼けしていた。
「おい、勇孝帰ろうぜ。」
篠崎雄也が、ゆっくりとペダルを漕ぎながら言った。
「おう。」
ほとんど毎日、勇孝と雄也は一緒に家へ帰る。彼らの学校では三年の二学期までで部活は終わりである。だが二人は、二学期になる前に自主的に退部していた。
ホームルームが三時四十分に終わり、クラスメイト達は受験勉強のため一目散に帰ろうとするが、勇孝と雄也は違った。たまにサッカー部の後輩らと汗を流し、サッカーを楽しんだ後に帰宅することがあった。
勇孝と雄也が現役の時は、サッカーを今の様に心から楽しんではいなかった。なぜなら、彼らにとっては苦痛となっていたからである。
二人はフォワードとキーパーで、物凄いプレッシャーを感じていた。勇孝はセンターフォワードで、雄也はキーパーでキャプテンであった。二人でチームが成り立っていたのだ。  
二人は口癖のように、いつもこう言っていた。
「俺のせいで試合に負けた。」
二人だけの責任ではないのだが、自分自身を責め続けていた。責任感が人一倍強かったのだ。
県大会の準決勝で敗退した時も、二人だけの責任にされた。他人には青春の一ページに過ぎないと思われてしまうが、彼らにとってはそれが全てであった。
長い坂道を、自転車から降りもせずに一生懸命にペダルを漕いで、まるでどちらかが先に坂を上りきるかを競争するかのようなスピードで一気に駆け上がる。
「俺の方がはえーぜ。」
「バーカ、俺の方がはえーよ。」
いつも二人は、こんな調子で競争している。ありきたりのこんな日常が楽しいのだ。
坂を上りきると、下りが待っている。ブレーキを一度もかけずに、狂ったようなスピードで下りていく。二人は、この風を切り裂いて駆け抜けていく感覚が大好きだった。
突然目の前に、一匹の白い子犬が飛び出してきた。そう、二人はすっかり忘れている、ブレーキをかけることを。
雄也は右の電信柱にぶつかり、かわいい子犬を轢かずにすんだ。しかし、勇孝は子犬を避け切れなかった。

MESSAGE

戦争の無意味さは歴史を辿れば、誰にでも理解出来るはずだ。人は何度罪を犯しても自らの愚かさに気付かずに、争い憎しみ合う。戦争なんて馬鹿げた事が21世紀になった今でも繰り返され、平和しか知らずに育った世代にも黒い影が何時降り注ぐか分からない。世界中の子供達が笑顔でいられるような世界を作っていくのは、これからの俺達だ。

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発行者:MIZAKI
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